<本文> 「一つだけ・・・一つだけ・・・」と、これがお母さんの口ぐせになってしまいました。ゆみ子は、知らず知らずのうちに、お母さんの、この口ぐせを覚えてしまったのです。
<本文> お母さんは、戦争に行くお父さんに、ゆみ子のなき顔を見せたくなかったのでしょうか。
ゆみ子は、おにぎりがほしくて泣いています。もうすぐお別れになる時、わらってもらいたかったお父さんがとった行動です。
<本文> すると、お父さんが深いため息をついて言いました。「この子は、一生、みんなちょうだい、山ほどちょうだいと言って、両手を出すことを知らずにすごすかもしれないね。」
ゆみ子
ゆみこ
一つだけ
汽車
コスモス
おにぎり