問題 1
選択式
ごんが最初に兵十の家に持って行ったのは何ですか?
- 魚
- くり
- きのこ
- 米
<本文> そして足音をしのばせて近よって、今、戸口を出ようとするごんを、ドンとうちました。ごんはばたりとたおれました。兵十はかけよってきました。家の中を見ると、土間にくりが固めて置いてあるのが目につきました。
<本文> ごんは物置のそばをはなれて、向こうにいきかけました。どこかで、いわしを売る声がします。 「いわしの安売りだあい。生きのいい、いわしだあい。」 ごんは、その、いせいのいい声のする方へ走っていきました。と、弥助のおかみさんがうら戸口から、「いわしをおくれ。」と言いました。いわし売りは、いわしのかごをつかんだ車を、道ばたに置いて、ぴかぴか光るいわしを両手でつかんで、弥助の家の中へ持って入りました。ごんは、そのすきまに、かごの中から、五、六匹のいわしをつかみ出して、もと来た方へかけ出しました。そして、兵十の家の中へいわしを投げこんで、あなへ向かってかけもどりました。
<本文> 「兵十のおっかあは、床(とこ)についていて、うなぎが食べたいといったにちがいない。それで兵十がはりきりあみを持ち出したんだ。ところが、わしがいたずらをして、うなぎを取って来てしまった。だから兵十は、おっかあにうなぎを食べさせることができなかった。そのままおっかあは、死んじゃったにちがいない。ああ、うなぎが食べたい、うなぎが食べたいと思いながら、死んだんだろう。ちょっ、あんないたずらをしなければよかった。」
うなぎ
新美南吉
にいみなんきち
ひとりぼっちの小ぎつね
<本文> むかしは、わたしたちの村のちかくの、中山というところに小さなお城(しろ)があって、中山さまというおとのさまがおられたそうです。 その中山から、すこしはなれた山の中に、「ごんぎつね」というきつねがいました。ごんは、ひとりぼっちの小ぎつねで、しだのいっぱいしげった森の中に穴(あな)をほって住んでいました。
<本文> ある秋のことでした。二、三日雨がふりつづいたそのあいだ、ごんは、ほっとして穴(あな)からはい出しました。空はからっと晴れていて、もずの声がキンキンひびいていました。